シンメトリーな安曇野・白馬で130キロのドMロングライド

日頃、自転車が趣味と言っておきながら最近は月に数回しか乗れず悶々とした日々を過ごしていたけど、この連休にそのフラストレーションを発散すべく乗り倒して来ましたって話です。

向かったのは長野県。北アルプスの麓に広がる広大な田園地帯で有名な安曇野
仕事では何度か行った事があり、その度に“いつかこの素晴らしい光景の中を自転車で悠々と走ってみたいものよ”と想いこがれていたほど自転車乗りにとって天国のような環境が広がる素敵すぎるところなのです。


当日の天候は若干霞がかってるものの絶好の天候。
宿を一歩出た瞬間から雄大な北アルプスが出迎えてくれます。

シンメトリ〜
調度水田に水が張られている時期なので水面に映る美しい逆さ北アルプスが素敵です。

ちなみにスタート地点は豊科という街。松本市の北隣、安曇野の南端に位置する街です。


走り始めてものの数分ですが、澄んだ空気、清らかな水の流れ・・・
この先どんな光景が広がっているのだろうと思うと胸の高鳴りが止まらない



暫く行くと菜の花畑と北アルプスの素敵なコラボが・・・・



ちなみに中央に聳えるピラミタルな嶺は常念岳と言って安曇野から眺める北アルプスの中ではシンボル的な名峰

かつて北アルプスを世界に伝えた英国人宣教師W・ウェストン氏(日本アルプスの名付け親)は

“松本付近から仰ぐ全ての峰の中で、常念の優雅な三角形ほど見る者に印象を与えるものはない”

安曇野から眺める常念岳の展望を絶賛しています(観光パンフからのパクリ情報)。


でも確かにこの地を訪れたら真っ先に目が行くのがこの美しい常念の峰だと思います。




先に進んでも相変わらずシンメトリーな光景が広がる。

安曇野は車で走ったら軽く1時間はかかるほど広大で、その中にはいくつもの街が存在します。

もちろんコンビニだってあるしジャスコだってある、JRも国道も通ってるしで何ら普通の田舎街と変わらない部分もありますがちょっと外れたら上記写真のような長閑で安らぐ情景が広がります。


ギコフもメインの国道を外れ、山麓を行く道を進む事にします。ゴールデンウィークとはいえ車の量もそれ程多くなくとても快適。

木立に囲まれると、北アルプスは眺められないけれど高原の中を進む雰囲気で走っていても全然飽きないなー



木立を抜けると相変わらず準備万端な水田が広がり“爺ちゃん田植えだぜ”な雰囲気。



たまに姿を現す北アルプスの峰も先に進むにつれさっきまでの常念岳ではなく別の峰に変わっている



こいのぼりの大群にも遭遇。もうすぐ子供の日。


同業者さんも大勢走っているのですが、皆さんゴツゴツのふくらはぎでギコフのような軟弱チャリダーは貧弱な生足を見られるのが恥ずかしく先を譲り先輩方の走りを後ろからしばし研究(すぐに突き放されますが)


走り初めて2時間弱、景色は相変わらず長閑でシンメトリー・・・

時折、おじいちゃんの畑仕事を見物している小さい子を見かけたけど、こんな長閑な環境で育つ事のできる子供はきっと素直で純朴に育つに違いない。もし家でゲームやアニメ三昧な子供とかに育ったならば俺が親ならぶん殴るね(殴り返すような猿のような野生児に育つ可能性もある)。


北アルプスと水田のフェラーリこと真紅のトラクター。
安曇野では一家に一台あるのでは・・・・と思える程の台数が走り回っている。


◆◆相変わらず雄大な大町周辺の北アルプス


黒部ダムの玄関口としても有名な大町市はスタート地点の豊科から車だと3〜40分ほど
自転車でも飛ばせば1時間ちょっとで付くはずです。


しかし今日のギコフは3時間近くかかっててようやく大町入り。
途中道を間違えたりいちいち写真を撮ったりしていたのもあるんですが
思った以上にスピードに乗れなかったから・・・というのが非常に大きい要因です。

と言うのも安曇野は一見平坦に見えて実はそうでもないのです。

東に北アルプスがあるので東西に勾配が付いているのは想像が出きるのですが
ギコフの走る南北は、スタート地点と大町市周辺では標高差が200メートルほどあり
平坦のように見えて実は延々と登っているという仕掛けが潜んでいます。
フラットに見えて実は登りなので視覚的なイメージと肉体が感じる疲れに誤差が生じ
知らぬ間にじわじわと体力を消耗させていました(写真とか撮らずに一気に走り抜ければ余分な加速をせずに済むので何てことはないのですが・・)。

このころから左足にずきずきと痛みが・・・どうもスジを違えたような感じ



でも一層と雄大に聳える山並みを見れば足の痛みなんて関係なし。先に先に進もうと思うのみ。


街を流れる高瀬川を渡る時に現れる北アルプス



広大な田園地帯にアルプスに向かって真っ直ぐ伸びる一本道・・・・・



この道を朝から晩まで10年間行ったり来たりせよ・・・という懲罰をくらったとしても受け入れる自信はあるなぁ。


途中、小さなお堂があり何やら説明書きがでいたので立ち止まって見てみると


その昔、富山の城主一向が厳冬期の立山連峰を踏破して浜松の徳川家康に会いに行った際に、大変苦労して山を越えてこの地に辿り着き村人の手厚いもてなしを受けて元気回復し無事に浜松まで辿り着けたということがあったと記してある。

その際に城主らは出発前に譲り受けた安全加護の為のお像を村に寄進し、村人はそれをお堂を建てて祀り以来今日まで供養を続けている・・・

という事だそうです。

ギコフは浜松人ですがそんな事があったなんてこれっぽちも知らんかった。それにしてもそんな時代に冬の立山を越えて浜松に行くなんて自殺行為のような行脚をよくやったもんです。しかも城主が。

絶対に季節とルートの選択を誤ってると思うんですが帰りはどうやって帰ったのかも気になります。


このお堂からは若干のぼりがきつくなり大町に辿り着くまでにじわじわと体力を消耗していたポンコツの体には少々つらく感じるようになりました

しかも痛めた左足が次第に悪化、ペダルを一回転する度にづきづき痛む・・・・

でもこの先に待っている絶景を見るために今日は頑張っているようなもの、引き返そうなんて思わない。

民家も次第になくなり途中猿も出ました。


川の流れる音だけが聞こえる山中の道を行くと5月だというのに辺りにちらほら残雪が・・・急激な登りではないけど、次第に標高が高くなってきた事を実感。



そんなこんなで辿り着いたのは営業を終了したスキー場。ここがギコフお勧めの絶景ポイント。

その場で振り返ると・・・・


間近に北アルプス鹿島槍ヶ岳がドンと聳え立つ。これを見たかった。

ここまで散々北アルプスを眺めてきたけどここが最も迫力あると思う(ギコフ的には)



ゲレンデの上まで回りこんで登れる道があるので登って行くとこれまた素晴らしい眺め・・・・左足はずきずき痛むけど頑張って来た甲斐があったってもんです。

寝転がり鹿島槍ヶ岳独り占め・・・・

ギ「俺の北アルプス、いや俺の地球は今日も美しい」

↑猿しかいないような所を延々と走ってきたので己の価値を見失う

ここでのんびり昼飯でも食えばよかったなぁ〜なんて思ったりしたけど、充分に満喫したので山を降りる事にします。ちなみにこの時点で調度正午。4時間半もかかったのかー



◆◆木崎三湖〜長野五輪で一躍有名な白馬へ



これから降りる方向を山の上から見下ろすと・・・・・随分と登ってきた事を知る

恐らくここは標高1000メートルくらいあるはずなので、じわじわと500メートル登って来た事になるので思ったよりスピードが出ないのに納得。そして一気に山を下る



あの山から下ってきましたよ。


下ってくるとそこには仁科三湖という木崎湖・中綱湖・青木湖という三つの湖が広がっています。




その一つ中綱湖。今まで山ばかりに気を取られていましたが、この辺りはまだまだ桜が楽しめる。



またまたシンメトリーな湖と桜と水田。この湖は青木湖。

ちなみに青木湖は映画“犬神家の一族”湖面から死体の足が浮かんでいるシーンが撮影された事で有名らしいんですが、そんなおぞましい事で名が知られるのは複雑ですね。


しばらく湖を周回する道を走っていると、白馬の街に下る峠にさしかかる。



しかし左足の痛みはかなりの悪化。下るべきか引き返すべきか・・・・迷ったものの



下ってしまった・・・・

でもいいんだ。男にはやり遂げなきゃいけない事がある。足の痛みがなんだ。苦労から逃げる人生なんてくそくらえだ。今下って来た峠道が帰りに立ちはだかってるなんて百も承知。人生だってそう。多少しんどくても、それを乗り越えて、先に広がる美しい情景の中に自分が存在している事が大事なんだ。

そう思い歯を食いしばり自転車を漕ぐ

・・・とカッコいい風に述べてますが、簡単に言うと脳がドSで肉体がドMな状況に陥ったのと、以前行った蕎麦屋に行きたいという煩悩が足を動かしただけのことです。



下り終わると安曇野に勝るとも劣らない素晴らしい情景が広がる白馬の里・・・・


長閑な景色が鎮痛剤代わりになって、やって来たのがここ。




長野五輪で日本が金メダルを獲った白馬のジャンプ台!写真で伝わるかわからないけど、圧倒される迫力!目を閉じれば原田雅彦の“ふなきぃ〜ふなきぃ〜”という半鳴きの叫びが蘇る・・・・ここであの感動ドラマが繰り広げられたんだー

ちなみにややシンメトリー


ジャンプ台へはリフトで登れるんですが、左にかすかに写る豆粒みたいな人と比較すればその大きさが分かるんじゃないでしょうか


しかしあんな高い所から猛スピードで滑って来て、踏み切りでボテっと下に落ちないのが不思議。
是非一度、冬のシーズン中に訪れて実際にジャンプするところを見てみたいもんだなぁ。





前から見たかったジャンプ台を間近で見物出来て満足し
何とか蕎麦にあり付けたので戻る事にしたいのですが・・・・

ここまで約80キロの道のり。

ちょっと遠回りしたので宿に帰るにはおそらく60キロ程自転車を漕がねばいけないはずなんですが

左足に激痛が走る状態で60キロも自転車を漕ぐのか・・・・

と思うと半鳴きで“ふなきぃ〜ふなきぃ〜”と叫びたい気分だ!

でもふなきは助けてくれない・・・・


あいにく帰りは下りがちなので往路に比べてはるかに楽なはず。それを励みに気を持ち直す。




仁科三湖の桜も夕映えしてほのかな美しさ、しばし足の痛みを忘れさせてくれる



行きと違った景色が唯一の救い


復路は思った通り下りが続くのでかなりのペースで進む事が出来たものの、街中に入ると信号待ちも多くなり加速の為に踏み込む都度痛みが増していく


そしてついに、左足をかばったからか右足にも激痛が・・・・具体的にはヒザの外側。



恐れていた両足激痛。地獄のドM体験だった。


体力的には問題ないけど、足が長距離慣れしてなかったんだろうなー。半日以上足を動かし続けてる訳だからね。何度か小休止したものの足が痛くて曲がらず満足に歩けない状態。逆に止まると加速しなければならない訳で、その負荷すら耐えられないから止まるのも億劫と感じる

きっと晩年の清原より絶対今の自分の方が重症だ!と思った。

でも進まなきゃならない。



日が暮れ行くなか、ほうほうのていで撮った最後の一枚・・・・最後のシンメトリー・・・


つうか俺の体の痛みもシンメトリーだ!!


という微妙なオチが付いたところで宿に辿り着きました。130キロのドMプレーは終了です。


その晩は、まともに歩く事すら出来ず、階段も四つんばいに近い状態で登るような状態。エアーサロンパスを大量噴霧し、這いつくばって近くの温泉に行ったものの車に乗るにも一苦労、夜は寝返りを打つ度に目が覚める始末。ただ足意外はぴんぴん。足さえ痛まなければ翌日もう一度白馬往復しても問題ないくらい体力的には余裕なんだけどなぁ・・・・

ほんとは翌日も安曇野に留まり、二日で300キロ位乗るつもりだったんだけど無念の撤退。残念だったけどあの痛みでよくそんな距離乗れたな・・・って思う事にします(前向きスイッチオン)。

結局痛みは翌日の夜にはかなり引いたので大したことはありませんでした。

皆さんも是非機会があれば、日本の原風景が広がる安曇野に足を運んでみてください。惚れ惚れするほど素朴で心和む風景がそこにはあります。自転車道も整備されてるので自転車でのんびり走るとほんとに気持ちいいですよー

でも足の痛みがシンメトリーになるような無茶な走りは禁物ですね。

終わり。