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斎場御嵩の何も無い事の素晴らしさ

何年も前の話ですが、福岡に住んでいた頃の知人に、沖縄関係の仕事をしていたライターの人がいて

その人に「沖縄でお薦めな所って何処ですか?」と聞いたら

「せいふぁーうたきが断然お薦め!何か凄い所だけど何も無いただの森、絶対行くべきよ」

と言われたのがせいふぁーうたき(斎場御嶽)に行ってみようと思ったきっかけでした。


何も無いのに凄い・・・


確かに何も無い所でブログ向きでは無いのですが、つい足を運んでしまうその不思議な魅力を出来るだけ記してみたいと思います。


◆◆琉球王国最大且つ最も神聖。斎場御嶽の不思議な魅力に迫る。
実は斎場御嶽に訪れるのは3回目だか4回目だか・・・まぁ定かではないのですが恐らく9年振りの訪問だと思います。

9年前は既に世界遺産には登録されていたとはいえ知名度も昨今ほどではなく、近くまで行っても案内等も不十分で“見つけた奴だけ来い”そんな感じのところでした。


今では立派な石碑なんかも出来てますねー


しばらく歩くと「緑の館・セーファ」という施設があってそこで入場の手続きをするのですが当時はそんなものは無く自由に訪れる事が出来ました。



入場して木立の中を暫く歩き御嶽(うたき)に向かいます。

さて・・・さっきからろくに説明してなかったのでここで先ず御嶽(うたき)について説明しないといけません。

簡単に言うと御嶽とは琉球信仰における祭祀等を行う施設で本土で言う神社のようなものです。沖縄の信仰は本土よりも自然崇拝色が強く、御嶽の中には仏閣や偶像等が無いのが一般的で(簡単な祠等はある)ただの森や、茂みの中の空間、岩や泉が御嶽として信仰の対象になっています


ちなみに斎場御嵩は“最高の御嵩”という意味があるそうなんですが

要するに斎場御嵩琉球王国でいう伊勢神宮みたいなところだと言えると思います。


ここが斎場御嶽の入り口である御門口(うじょうぐち)です。

公園の遊歩道入り口ではないか!と思われる方が殆どだと思いますがここは神社でいえば拝殿にあたるところで大変神聖な場所です。かつてはこの先は王府関係者しか立ち入る事が出来ず、一般の人はここから拝む事しかできませんでした。


しかも琉球信仰では“神と人を繋ぐのは女性で、神事は男子禁制”が基本なので
国王であれどこの先に立ち入る時は着物の合わせを女装に合わせる必要があったそうです。
※分かり易く言うと、政治は男性、宗教は女性であり国を守護するのは女性というスタンス

恐らく国王以外の男性は一歩たりともこの先に足を踏み入れる事はできなかったんだと思います。



鬱蒼とした木立の中を進んで行く・・・




ここは大庫理(うふぐーい)という神女がお祈りをしたところ。



なんでも大庫理の右手の茂みの奥に神様が住んでいるんですが、斎場御嶽の価値を何ら知らずに訪れた観光客がズケズケと立ち入る事もあり問題となっているんだそうです(すぐ前を歩いていた観光客連れのタクシー運転手の会話を盗み聞きして得た情報)。


この日も運悪く観光バスの一行と鉢合わせしてしまったんですが
そんな状況になると、もののけの森に迷い込んだ様な霊験あらかたな雰囲気も感じられず、ただ森林浴に来ただけみたいな感じになってしまうので最悪です。

今流行の“パワースポット”という言葉に安易に触発されて訪れる人や、ツアーに組み込む会社が多いと思うのですが基本的な事を理解していない人がこの地を訪れる事ほど無駄な事は無いとつくづく思いました。

「何か良く分からないけど・・・」と言ってシャッターを押してる人の多い事!

亜熱帯の森の中を歩いて露出した隆起サンゴの岩肌を撮ってるだけだからね・・・・パワーもくそも無い。神殿も赤福おかげ横丁も無い伊勢神宮に行くようなもの。そらつまらないよ。

ちょっと毒づいてしまいましたが、観光客の一団をやり過ごしてから進みます。



人が少なくなると潜めていた不思議な力がどこからともなく沸いてくる感じがします。



何とも説明のしがたい神々しい空気で満ち溢れている。



木の根っこも葉っぱもそこにある物全てが意味があるような感じで
ここに無くてはならないのだと思う。



今日は残念ながら雲っているけど、晴れてる時に訪れると更に神秘的。



きっと空気中に含まれている成分が違う様な気がする。実に清らかで素晴らしい何かがあるのですが、自分の拙い文章力と写真では到底説明出来ないのがもどかしいです。




◆◆三角岩と三庫理(さんぐぅーい)
この一角が斎場御嶽の象徴的な場所といえるでしょう。



とても大きい岩の下に作られた遥拝の為のスペース
本土の信仰だと立派な神殿なんかが建立されるんだろうけど
自然崇拝が基本の琉球信仰ではありのままの形となる。



右の方に大きな岩の裂け目があります。三角岩と呼ばれています。



とても大きい岩・・・


何かとてつもない力で鋭く切り取られたような空間。

先にも少し述べましたが斎場御嵩は男子禁制で、琉球王府の神事を司る神女が国家的な祭事を行ったりした訳で、細かく説明しようとすればきりが無いのですが



よしもとばななの旅行記“なんくるなくない”の中に斎場御嵩についた書かれた話があったなと思い出したので本棚から引っ張り出して読んでみたんですが、現役の神人(琉球信仰での神職:でも普段はふつうのおばあさんだったりする)である方が斎場御嵩について語った言葉があってとても印象的でした



『ただ石がこう、三角になっているだけのところなんですけど、不思議と落ち着きます』


地位の高い人が凄いさっぱりとした例えをされていて沖縄らしいというか凄くしっくり来たというか・・・

でも結局はただそれだけの事なんだろうな。

色んな言い伝えや神話が色付けされて神聖な場所というのは創り上げられて行くのだろうと思った。



三角岩の奥の三庫理という場所からこれから行く“神の島”久高島を望むことが出来ます。


久高島は沖縄から見ると太陽の昇る東に位置し、琉球を創った神様である“アマミキヨ”が最初に降り立った島として崇められているのですが、その神聖なる久高島を拝む為に斎場御嵩琉球王国最高の聖地に位置づけられたと言えるでしょう。


でもこれだって簡単に言うと

“たまたま陽が昇る方向にあるが為に神の島として創り上げられた島”を絶好のロケーションで眺める事が出来る山の中にたまたま大きな隆起珊瑚の奇妙な岩塊があっただけの事・・・・なんだと思う。


ただ・・・神話が史実をメッセージとして伝えているのであれば、様々な伝承にも裏付けがあって、何故、久高島や斎場御嵩がこれほどまでに崇められるのかがもっと具体的に分かるし、琉球民族のルーツ等も分かる訳です。


それはこの後に久高島に渡ってちょとだけ理解したんですが、ブログネタとしてこれほど地味で説明し難いネタをぶっ続けで書く体力は生憎ギコフには無いので次回に持ち越しとさせて頂きます。

次回の久高島編も斎場御嵩並に地味な写真盛りだくさんになりますが物好きな方はまた目を通してくれたら幸いです。