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宣伝の時間です。


大阪時代、共に耐え難きを耐え、今や立派なフォトグラファーとなった桜木奈央子さんが“かぼちゃの下で”という素晴らしい著書を上梓された。



ウガンダ 戦争を生きる 子どもたち”

・・・というサブタイトルが付いたこの本は、内戦の続くアフリカはウガンダにおいて、戦禍により内外的に様々な傷を抱えながらも、逞しく人生をリカバリーして行く子どもたちの姿を追った写真集。



ぱらぱらとめくってみた最初の印象は、明るい子供達の笑顔やアフリカの小さな街の何気ない情景が色とりどりに見てとれて、一見“単なるアフリカの写真集”に思えてしまうかもしれない。



しかし、そこに登場する子供達は内紛の続くウガンダにおいて、ゲリラ軍に誘拐されて少年兵に仕立て上げられた壮絶な過去を持ち、親や兄弟を殺した相手に仕え、そして戦わされるという理解し難い世界を生き抜いた子供達だ。



写真だけ見れば無邪気な子供達の表情に目が行ってしまいがちだが、桜木さんのレポートを読むとそのギャップに胸が痛む。


桜木さんは元子ども兵士の為の職業訓練施設を運営する手伝いをされており、暴力に支配された世界を生き抜いた子供達に就業・就学機会を与える為に尽力してこられた。


いつゲリラ軍に襲われるか分からない。

いつゲリラ軍に誘拐されるか分からない。

そしていつ殺されるか分からない。



我々には理解し難い世界を生き延び、解放された子供達は勉強する機会を与えられてか表情はただただ明るい。

希望に満ちた将来を思い描いているからだろう。

この写真集は戦争の被害者を写しているが、そこに写る子供達の生き生きとした表情は
惨めな戦争被害者では決してないと感じた。

アフリカでも日本でも、きっと世界のどこでも未来を見据える人の目は美しいんだなと思った。


文中で心に残った一文がある。

〜休み時間になると、生徒達は中庭でバレーボールに夢中だ。ボールとたわむれるその無邪気な笑顔は、まだあどけない。マンゴーの木の下では少女たちがおしゃべりを楽しんでいる。おたがいの過去は一切話さない。ここでは未来の話しかしないという暗黙のルールがある・・・

何気ない一節なんだけど、無性に心に残った。


消してしまいたい過去の記憶もあるだろうけど、健気に未来を信じて頑張る子ども達の姿が思い浮かび、ほほえましく感じた。




この本は残酷で悲しい悲劇を内包しながら生きる子ども達から“未来”が産まれる瞬間を写している・・・そんな一冊だ。

是非、一人でも多くの人に読んでもらいたいとお世辞でなく思います。

かぼちゃの下で―ウガンダ 戦争を生きる子どもたち

かぼちゃの下で―ウガンダ 戦争を生きる子どもたち