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ざっくり解説 モダンアートの島、直島。


瀬戸内海に浮かぶ現代アートの島、直島に行って参りました。




前回、恒例の八重山巡礼の模様をUPしたばかりで「また島か」と思われるかもしれませんが、八重山には福岡からの飛行機で行ったので、福岡に向かう途中にちょっとだけ寄り道したって事です。





直島には香川県高松市から向かいました。

高松駅前と港は隣接しておりとても便利で
直島までの運賃は片道500円ほどで思いの他安い。
安いので粗末な船で行くのかと思いきや結構立派な船で向かいます。








東西に船の往来の激しい瀬戸内海を南北に突っ切り1時間程で直島に到着です。



港では有名な赤いかぼちゃが出迎えてくれています。




■■直島の玄関口、宮之浦港





宮之浦は直島の玄関口。港は「海の駅なおしま」を併設していて終日賑わっています。





直島は島内に大きな工場があるみたいで大型トラックがフェリーから次々出てくるし、島に通勤する人も結構いるようで、今まで見て来た離島のイメージとはちょっと違う・・・




モダンアートの島と言うこともあり、観光客も外人やアート系の小洒落た若者が大勢いるし、船着場にはジャガーまで止まっているしで非離島感は高まるばかり。




今回は高松から来ましたが、ここから岡山の宇野までフェリーで20分ほどで運賃も280円。どちらかと言うと宇野〜宮之浦のルートが直島のアクセスとしては主流であり、岡山側も港と駅が隣接して大変便利です。近年の直島人気はこのアクセスの良さも大いに影響しているのだと思います。







船着場のすぐ脇は芝生広場になっており、そこに先ほどの赤いカボチャが設置されています。“港に着いたらとりあえず赤いカボチャと写真を撮る→帰り際にとりあえずもう一回行ってみる”というのが訪問者のルーティーンのようになっていていつも賑わっています。船も頻繁に運航してるし、ひっきりなしに人がやって来るしで、かなり近づかないと誰もフレームインしない赤いカボチャを写真に撮るのは至難の技といった感じです。

ちなみにこのカボチャは有名な芸術家である草間弥生の作品なんですが、モダンアートや前衛芸術にはさっぱり疎いので興味のある人は各自で調べて下さい(投げやり)。






ちなみに中にも入れます。



■■宮之浦の集落を歩こう


宿のチェックインまで時間があったので宮之浦の集落を探検しました。




チョイ悪爺さん達のいるステージをクリアして進むと・・・






突然アバンギャルドな建物が現れます。





これは大竹伸朗という人の手がけた「I ラブ 湯」というアート銭湯。

一般500円、島民300円で入湯出来ます。




こんな奇抜な建造物が認められる直島であれば、かつて住民から「色彩の暴力」とまで言われた楳図かずおの自宅(外壁が赤白ボーダー)も裁判沙汰にならずアートとして認められたのではないかと思えて来ます。逆も然りで吉祥寺の住宅街にこんな銭湯が現れたら、気難しいマダム達は「気持ち悪い」とか言い出すのでしょうか・・・・

赤と白の外壁の家は裁判沙汰になって、赤と黒のカボチャは観光客やアートフリークに大人気・・・・楳図かずおの家を更地にして赤いカボチャを置いたらどうなるのか・・・・考え出すとキリが無い、まるでアートのねじれ現象。



ちなみに内部(撮影は不可)の様子なんですが・・・アートだと言われればアートなんでしょうが、よく見ると至る所に様々な細工がしてあって、それが割とくだらなく、且つチョイエロだし、何か吉田戦車的な不条理な雰囲気を思い出してしまうんですが、かなりヤンチャで悪戯なアートであるのは確かです。


http://www.naoshimasento.jp/
Iラブ湯。詳しくはHPを。





宮之浦の集落は猫が多い様子。





「昨日くらいからやって来てねー」と中からお父さんが出て来たので、追い払うのかと思ったら、エサを与えだす過保護っぷり。

一度、人間が食べる高カロリーな物を口にした熊は必ず人里に戻ってくる・・・と言うし、この猫達ももうここを離れられないのではないかと思う。数年後の直島の猫バランスが気がかりです。





夕方になったので宿に戻りました。
今夜の宿は一泊2500円のドミトリー・・・・
世界中から観光客が訪れるだけあって直島は1泊2000円〜3000円代の安宿がたくさんあります。


青春18切符を使うならば、宇野までJRで船に乗っても往復で600円だし直島は貧乏旅行者にとって大変心強い島だと言えます。



■■夜の宮之浦




竹富島なんかもそうですが昼間観光客が大勢くる島は、夜になると一変して島本来の素朴さを取り戻し素晴らしい雰囲気になる事があります。

直島もきっと夜になるとアートの島から、本来の長閑な瀬戸内の漁村の雰囲気を取り戻すだろうと思い再度散策してみました。




Iラブ湯はじゃんじゃんバリバリ営業中




怪しく佇む赤いカボチャ





怪しく口を開ける・・・





異様な存在感




やはり直島は唯一無二の島。
路地裏のお洒落なバーに外人が大勢たむろっていたり

瀬戸内の漁村の雰囲気ではなかったです。






そんなこんなの直島滞在。

たった一泊でしたが他の離島には無い雰囲気に触れる事が出来、宿泊費を浮かせる目的だけで訪れた割には楽しめて良かったです。明日は朝の船で出てのんびり福岡に向かおう・・・なんて事を、宿で一緒になった旅人に言ったら


「勿体無い!!」


と一喝される


「何で地中美術館に行かないんですか!他にも家プロジェクトだってあるし、宮之浦だけ見て帰るなんて何の為に直島に来たんですか!とにかく地中美術館だけには行った方がイイです!!」


という事なので、あっさり心動かされて翌日言って見る事にしました。



■■ベネッセアートサイト、地中美術館に行ってみよう




翌朝・・・




朝の瀬戸内海の眺めはピースフルでした。




地中美術館には、観光客が大挙押し寄せる前に行こうと始発のバスに乗りました(10時近かったけど)。バスは100円で乗れるうえに割と頻繁に走っていて、主要なスポットはほぼ行く事が出来るので大変便利です。



http://benesse-artsite.jp/
直島のアートワークプロジェクトを手がけているのは“ベネッセ”という岡山の会社。やるだけで勉強も部活も成績アップでクラスの人気者になれる進研ゼミで御馴染みの会社です。そのベネッセが直島(※正式にはは直島・犬島・豊島の三島)で展開しているアート活動を包括して“ベネッセアートサイト直島”と言う訳で、昨日のIラブ湯もそれらの活動の作品の一つ。




宮之浦からバスで20分ほど行くと瀬戸内海を一望出来る海沿いの丘陵地に広大なベネッセパークがあり、その中に昨夜の旅人が絶賛していた地中美術館があります。




とはいえ写真を撮る事が出来たのは少し離れたところにあるチケット売り場と入り口周辺のみ。モネの睡蓮を展示してるだけあり、途中、それを模した池がありました。


ここからは文章だけなので非常にもどかしいのですが・・・・・


http://benesse-artsite.jp/chichu/index.html
地中美術館安藤忠雄設計による地下三階建ての美術館で、完全に地下に埋もれている訳ではなく、至る所に採光出来る仕掛けがあってとても居心地の良い造りになっていました。



最も有名な展示はモネの睡蓮が展示してある部屋だろうけど、むしろ他の展示の方が五感に染み渡る強烈な印象を残してくれました。

ウォルター・デ・マリアの作品を配置したアートスペースはその日の天候、時間帯により印象が変わるだけでなく、神殿のようなスペースに圧倒されます。

ジェームズ・タレルの作品は光そのものをアートとして提示しているものらしく(HPからのパクリ)薄暗い展示スペースに足を踏み入れた瞬間から激しく空間識失調に陥り今まで体験した事のない感覚に陥りました。

と・・・文章だけで説明せねばならない事は非常に欲求不満なんですが、激しく地中美術館を推してくれた名も知らない昨夜の旅人には感謝せねばならないです、とても興味深い展示で楽しかったですよ。

入館料は高いですがお薦めです。




■■広大なベネッセパーク


帰りは歩いてバス乗り場まで行く事にしました。



アップダウンも結構あって夏場にここを歩くのはしんどいだろうと思っていたのですが、直島から眺める瀬戸内海の風景は本当に穏やかで見ていて飽きる事はありませんでした。



パーク内には地中意外にもいくつか美術館があるのですが、そこまでアートに身を捧げる事は出来なかったのでスルー。観なくても景色が十分綺麗だし、恐らく内部は写真撮影禁止だろうからブログ的にしんどそうだ・・・





しかし、瀬戸内海の眺めって見ていて優しい気持ちになりますね。二時間ドラマの舞台が日本海側が多いのも納得。










ベネッセパークの入り口には宮之浦港とは色違いの黄色いカボチャがありました。



赤いカボチャと比べたら、一回り小さい黄色いカボチャ。



正直、赤いカボチャはそこら辺の児童公園の遊具みたいな印象を感じていたのですが黄色いカボチャは、見事なまでに瀬戸内の優しい風景に溶け込んでいる。



誰もが感じる安易な感想ですが、カボチャと海と空と雲とが一つになっての作品だと言う事は十分すぎる程伝わって来ます。もはや、この黄色いカボチャが不相応に感じる条件というのは存在しないのではないかと思えるほど。


早朝や夕方のカボチャも見てみたいものです。





■■本村地区の魅力と課題



宮之浦集落とベネッセ公園の中間に位置する本村地区では“家プロジェクト”という廃屋をアートスペースに改築して展示するという活動で有名です。

地区内に6軒ほど家プロジェクトを行っているところがあり共通入館券(1000円)で観賞する事が出来るのですが、その案内が観光マップにもあまり記していなくてちょっと困りました。


何も下調べをせず、ただ宿が安いという理由だけで直島に来た自分みたいな人間はこの島では少数派なのでそれは仕方がないところですが、家プロジェクトの一つ護王神社(潰れかけた神社を素敵にリフォームしたような所)に何も知らずに侵入してしまい係りの人から「チケットは?」と言われ初めて有料なのかと気づく有様。



チケットを売っていたのは農協のスーパーマーケットを劇的リフォームした本村ラウンジ&アーカイブというところだったのですが、洗練されたアートの島だけあってその辺りの案内は非常にシンプルなので“チケット売ってます”的なアピールは小さく、どこかアップル社的な感じがします。最初は何の施設なのか分からず、ここは入っていいのか?ソファーに座っていいのか?ウォーターサーバーの勝手に水を飲んでいいのか?と慣れないお洒落トラップにいちいち迷ってしまいました。


そんな事があって家プロジェクトは観て回ろうかどうしようかと迷っていたのですが





アートワーク以外の本村の街並みが十分に楽しげで素敵だったので、今回は家プロジェクトは見送って集落を散歩していました。






良く見ると街角の至るところに洒落た仕掛けがあって、よりキョロキョロさせられて楽しい。



暖簾プロジェクトみたいのもやってるみたいでした。




アートで溢れ返っている訳ではないけど、サブリミナル的にアートに触れているのでもはやこの猫達も作品なのでは!?といい感じに脳がやられていました。


ごらんのように直島には色々な作品が溢れていました。凡人には感想を述べること事も出来ないような敷居の高いものもあれば、自分のようにアート偏差値が低くても単純に楽しめるものもあり、モダンアートだから何か感じないといけないというのではなく、各々の感受性で楽しめる島だと思いました。今回は一泊二日でしたが、次回訪れる機会があるのならばゆっくりと時間を掛けて観て回りたいと思います。


それまでにアート偏差値が上がっていれば感じる印象も色々と変わってくるのだろうと思います。



■おまけ




直島から福岡に向かったのですが途中広島に立ち寄りました。





不謹慎かもしれないけど、繁華街を抜けて平和公園に向かう時の空気の変わる様が好きです。

もちろん平和学習は欠かせません。
今までで最も原爆資料館を時間を掛けて観て回る事が出来ましたがそれでも閉館時間が迫って来てしまいました。




何度も行く機会があったけど、ようやく初上陸した宮島。



厳島神社は外から覗いただけだったけど、脇の高台にある大きなお堂のようなお寺がとても居心地が良かったです。


食事して店から出て来たような鹿もいた。

一瞬だけでしたが初の宮島良かったです。



http://nakasujazz.net/artist/index.html
福岡では以前の勤務先の先輩方と久々に会って中州ジャズフェスティバル見物。


http://www.erikajazz.com/
先輩のお友達のERIKAさんというアーティストが出演されていて、とても素敵な歌声を聞かせて頂きました。


http://www.friedpride.com/
トリを努めたFriedPrideというアーティストのパフォーマンスは体の芯から痺れる程の圧巻の迫力でした。ヤバいくらい良かった!

ジャズなんてこれっぽちも分かりませんでしたが、本当にいいものは誰が聞いてもいいのだと改めて思いました。特にこの二組の素敵なアーティスト、是非聞いてみて下さい。お薦めです。




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http://takagikofu.com/
あと私事ですが・・・・HPを作成しました。