義胡府国風土記~旅と外出~

5年間放置していました

那覇→八重山弾丸ツアー波照間島編(最南端のいじられキャラと釣り対決!)

波照間島で出会った最南端のいじられキャラ“イチ”との心温まる交流の記録(続編)・・・・

http://d.hatena.ne.jp/takagikofu/20091202/1259769889 ←前編はこっち


◆◆波照間の荒海で大物を狙え!


珊瑚の浜を後にしたイチ軍団

まだ時間も早いので「釣りがしたい」とリクエスト

もちろん「いいよ」との返事


釣りの道具とかエサとかを準備しなきゃ行けないので集落の方に向かう

商店でエサを買い、糸や針を取りにイチは自宅に戻ったので暫く待機していると

鎌を手にイチが戻って来た!

そのまま付いて行くと竹やぶにガサガサと入って行く・・・



まさか竹から釣り竿を作る事になるとは!!!



竹を伐採するインドネシアの農夫ワンチャイさん。


竹やぶがここまで似合う男もそうはいまい。



竹を調達して向かうはニシ浜(竹を片手に自転車で疾走するイチ軍団に向けられる島民の視線は決して暖かくはなかった・・・)。「港は風が強いからよ、ニシ浜で釣ろう」とイチが言うのでニシハマに来てみたもののこっちこそ風が強いといった感じで雲行きも怪しい・・・・・



地べたで釣竿をこしらえるイチ。これぞ匠の技、何か島人って感じー

竿が出来たのでイチに付いて行くと「浜で釣る」と言ってたのに浜を抜けガサガサと茂みの中に入って行く



画的に再びインドネシア・・・・



んで着いた所が港。「ここで釣るさ」とイチ

だったら最初から港に連れて来い!!!



◆◆釣り開始



イチから簡単なレクチャーを受けるが、風が強いし波も結構高いなー



最初はすごいと思ったイチ特製釣り竿だが、冷静になってみると「ほんとに釣れるのか・・」と思えてきた

だが・・・・


イチ一匹ゲット!!!小さいけど


しかし見た事ない魚だ・・・


ギコフ「イチ、これ何て魚」

イチ「知らない。でも美味いよ」

ギコフ「ふーん」

しばらくしてもう一匹、同じ魚のちょっと大きいのを釣り上げたイチ。


一方ギコフ達はさっぱり釣れず、次第に投げやり度が増して行き同行したHさんなんて“足釣り”になっていた。


年中酔ってるとはいえイチはやはり島人。釣り上げるタイミングというか嗅覚が全然違うなー・・・ちょっと尊敬。

結局、本日の釣果は2匹。小物だけど全てイチの手柄。

しかし「これはお前らが釣ったって事にしといてよ。絶対俺が釣ったって言わないでよ。お願いだからな、な・・・」と何故かやや悲壮感を漂わせがちに念を押される・・・・小さい魚を釣る事が島ではそんなにタブーな事なのかと思った。

自分達が釣った事にした2匹の魚は宿に帰ってたましろさんにホイル焼きにしてもらったけど美味しかったですよ。


◆◆翌日・・・

朝食を食べ外出しようと玄関に行くと「さぁ今日も釣るぞ」と言わんばかりに玄関先にちょこんとイチが座っていた。

平日の朝にこの自由人っぷり・・・・一生“ゆとり教育”なイチにギコフが釣られ、港に向かい朝から糸を垂らす事に。



しかしイチは大きい仕事をした!開始早々に1匹と昼近くに割とでかいのを釣り上げた!



ギコフ「↑これ何て魚!?」

イチ「知らない!でもこれ毒があるよ!食べれない」

ギコフ「まじでー」

と落胆するギコフ達の元へ、釣り人が来たので

ギコフ「こんなん釣れたんですが食べれないみたいで・・・」

釣り人「そんな事は無いですよ。美味しいですよ。イシガキダイですね」

その後来たおじいも「これは高級魚。美味いよー」と言う

適当な事を言いやがって・・・とイチ信用を失う。

でも“高級魚”という言葉に心踊らすギコフ達。イチが釣ったのにまるで自分達の手柄と勘違い。最初に釣った小さい魚はギコフ達にくれて、大きいイシガキダイは持って帰ろうとするイチに

「やい!イチ!そのイシガキダイよこせ」

「今夜たましろさんにさばいてもらって刺身で食べよう・・イヒヒ」

等とまるでジャイアンとスネオと化したギコフとHさんはイチの釣ったイシガキダイを略取しよとしたり

「イチの奴あの魚を別の民宿に持って行って宿泊客の女の子に見せびらかしてんじゃねーか」

と半ばひがみがちに陰口叩いたりしたのは少々インモラルだったなちょっと反省。(この釣りに一緒に同行したHさんは実際はそんなスネオチックな人ではないので・・あしからず)

でもギコフ達に横取りされたく無いが為にイチは「毒がある」とか言ったのだとしたらイチにしてはなかなか計算高い事だと思った。


結局この日はイチが二匹釣っただけで、ギコフ達は延々とエサだけ食べられるという行為一日繰り返していた。

途中でニシハマから生きたヤドカリを捕獲して殻を割ってエサにするという残忍な方法を試みるが、針を垂らせばエサだけ取られるというサイクルは変わらずでヤドカリがいくらあっても足りない・・・


ヤドカリを補給しに再度ニシハマに行くと全然ヤドカリがいなくなっていて

“絶滅させたかも!”

と何とも言えぬ罪悪感を感じたりしたのも今となってはイイ思い出です。


結局一日半で一匹も釣れなかったけどイチのおかげで楽しめたし何だかんだでイチに感謝感謝です。

でも・・・・

イチが両手いっぱいに広げて「おれさっきこんなでっかいの釣ったさ」と見物に来たオジィにかなり釣果を付け足して自慢しているのを見たのをここでチクッておこうと思います。





◆◆さらば波照間・・・・


翌朝、二日間欠航していた船がやって来た。

たましろで一緒だった皆さんが朝一の船で帰るギコフを桟橋まで見送りに来てくれた。

最後にイチに会いたかったけどさすがに今日は畑で働いてるんかなと思い諦める。

出発の時間が来て船が桟橋を離れぐるっと向きを変える・・・

その時、少し離れた岸壁の上に灰色の作業着を着た男が目に入った


イチだった。


岸壁に座って咥えタバコでじっとこっちを見ている


「イチー!!」と思わず叫ぶ


手を振って応えるニヒルなイチ。最後の最後にかっこよすぎるぜ!

さらば日本最南端のいじられキャラ!また会おう!



本当に今回の波照間はイチとの出会いがあったからこそ素晴らしい思い出となりました。波照間に行くと毎回素晴らしい出会いがありそれは一期一会だったり、その後も深い付き合いが続いたりと様々です。

イチとの出会いは島に行き続ける限り一期一会にはなりそうにありません。またそのうち会えると思います。

けどイチサイドから見ればギコフとの出会いは限りなく一期一会に近いものであって確実に忘れられている事でしょう。

でもイチならそれも許されます。向こうが忘れていようが次会った時は容赦なくいじってあげようと思います。

皆さんも是非この愛すべき男に会いに行ってみませんか。