義胡府国風土記~旅と外出~

5年間放置していました

アフターコロナには是非行きたい倉敷・吉備路と国宝級銭湯

こんにちは。

5年間放置して復活したブログも再び1年近く放置してしまうところでした。前回(西日本豪雨のボランティアの話)の続きとして途中まで書き溜めてはいたものの、仕事の繁忙期、それが終わってのコロナ禍襲来で何だか落ち着かず、やろうと思えばいくらでも時間はあったのに、だらだらと今頃になってしまい、背徳感で押しつぶされそうです・・・汗

 

◆◆◆◆ざっくり浅く解説。倉敷美観地区。 

今回は2年前の西日本豪雨のボランティアがきっかけで足を運んだ倉敷・岡山について、コロナ禍を挟んで今更ブログに・・・って事なので、その間に現地も状況が変わってしまったようです。

倉敷

まず残念な事に、西日本豪雨ボランティアで大変お世話になったゲストハウス有隣庵は、コロナの影響もありゲストハウスを閉業、昼間のカフェ営業のみとなってしまいました。いつかボランティアではなく純粋に観光客として訪れようとしていただけにとても残念なのですが、今でも地域を盛り上げるべく様々なイベントを開催しながら盛業中のようなので、状況が落ち着いたら是非立ち寄りたいと思います。

 

さて。倉敷と言えば有名なのは美観地区。江戸時代に天領として発展した歴史を持ち、白壁の蔵や倉庫、古い屋敷が建ち並んでいます。

 

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ボランティア活動に出発する前の早朝や、夕方帰って来た後に撮影しているので写真では人気は有りませんが、昼間は多くの観光客でにぎわっていました。

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色々お店がありますが、じつは殆ど入った事がない・・・

 

美観地区で最も有名なスポットなのは大原美術館だと思うのですが、開館時間帯に美観地区にいないことが多かったので一度も行った事はありません。日本にある事自体が奇跡だ!と言われるくらいの貴重な絵画もあるそうで、是非次の機会に行ってみたいと思うのですが、果たして凡人にその価値が理解出来るかどうか・・・

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その他には、いがらしゆみこ美術館や星野仙一記念館などもひっそりと営業しています。いがらしゆみこ美術館は泥沼著作権裁判の関係で代表作キャンディキャンディ関連の展示は無いという事で、サザエさんがなくていじわるばあさんメインの長谷川町子美術館みたいな感じでしょうか。男の子なので行ってはないです。

星野仙一記念館も行ってはないのですが、ほんのちょっと、本当にちょっとだけ仙さん絡みの仕事をしたので顔を出そうかと思いましたがタイミングが合いませんでした。

 

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倉敷川沿いの柳並木。

 

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日本の地方都市の殆どがかつて繊維産業で栄えたいたように倉敷も紡績工場で発展した街。倉敷川を利用した水運で原材料や製品などを入出荷していたのだと思います。

 

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一年間倉敷に通ったので、倉敷川にいる白鳥一家の成長を見届ける事が出来ました。当初はいなかった雛がどんどん巨大化していった。 

 

◆◆絶景の阿智神社から美観地区を見下ろしてやろう

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個人的にお薦めなのは阿智神社。美観地区を見下ろす丘の上にある素敵な神社。

 

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長い石段を登るので、観光客はあまりここまでは上がって来ないので穴場ではあるのですが本殿に到着するころには息も上がってしまいます。

 

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グリコじゃんけんをしている人をかなりの確率で見かける阿智神社。 

距離、勾配ともに上級者向け。本格的なコース設定です。

 

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休み休み、たまに振り返りながら登ると素敵な情景が広がっていたりします。

 

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頂上には綺麗な本殿や摂社・末社があります。

祀られているのは海の守り神、交通や交易の安全を司る神だそうで、かつてこの地は今のような内陸の街ではなく、海に面していた幕府直轄地(天領)。物資の集積地として繁栄していたことが伺い知れます。

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清水の舞台のような展望台(?)もあり美観地区を上から眺めることが出来ます。駅近の好立地にこのような古い町並みが残っていたのは奇跡的。戦災などにも見舞われなかった幸運もあったのではないでしょうか。

 

 ◆◆観光客のいない裏ルートを歩こう

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来た道とは違い、裏道を辿ると駅の方に抜ける事も出来ますが、美観地区とそうでない路地裏の雰囲気が混ざり合っているようで個人的にとても好きな小路です。

 

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 そこはかとなくフォトジェニックな感じがする裏道。観光客もほとんどいなくてのんびり散策出来ますが特に見どころがある訳でもありません。

 

 

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小路を抜けると昔ながらの下町エリアが広がっていて、美観地区につながるアーケードや商店街があります。観光客が素通りしがちなこのエリアの方が個人的にはお気に入りで、愛想のいいお母さんと猫のいる観光地化されていない喫茶店によく通っていました(猫カフェではない)。HPなどもないのでリンクは貼れませんが喫茶ウエダさん、お勧めです。

 

◆◆◆◆今年は大正109年~平成も令和もやってこなかった超ド級レトロ銭湯~

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10回近く倉敷に通って美観地区のお店などには殆ど入った事がないのに、毎回足繁く通ったのはこちらの銭湯えびす湯さん。大正時代に建立され、今もなお変わらぬ姿で営業をしている奇跡の銭湯で、初めて訪れた際は時空の歪みに吸い込まれてしまったような衝撃を受けました。

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脱衣場には今どきのものは皆無。扇風機や冷房もありますが電化製品は全てが昭和。それ以外は全て大正って感じです。

 

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木製のパネルクイズのようなロッカー。数字がまだ普及していなかった時代の代物。

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開けると謎の薬品の広告。ケロリンがまだ普及していなかった時代の代物。

 

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浴場は浴槽と蛇口しかない。シャワーもない。

蛇口からのお湯と水は常にマックスの勢いで吐出されるので調度いい塩梅に調整するのが難しい(少々悪意のある撮影の仕方をしてしまいましたが、実際はこんなに薄暗い監獄チックな雰囲気ではなくもっと明るくて鮮やかな浴場内です)。

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木製ロッカーの内側といい、掲載期間がほぼ永遠だと思われる広告スペース。純喫茶イレブンはえびす湯で供養され続けています。

 

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浴槽は一つの御影岩をくり抜いて作られた大変貴重なものだそうです。入るだけでパワーを得られると女将さんが言っていましたが、御影石にそういう効能があるのか、スピリチュアルな事を言っているのかは良くわかりませんでした。

肝心のお湯の方は、ちょっと熱め。浴槽が一個あるだけなのでストイックに入浴するのみで、ぬる湯派は少々辛抱をしないといけません。

 

twitter.com

フレンドリーな女将さんの不思議トークもえびす湯の名物ですが、意外にも女将さんはTwitterをやっていて「えびす湯 倉敷」で検索すれば、えびす湯情報を知る事が出来ます。※たまに違う人が番台にいます。

 

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毎回、早い時間に行くと地元のおじ様たち、少し時間が経つと観光客やゲストハウスの宿泊客が興味深々でやってくるような感じです。地方の銭湯にはありがちな話ですが、スーパーな方の銭湯にはドレスコード的にNGな、背中に龍・般若・天女などのカラフルな装飾を施した方もよく一緒になりました。

 

そんなえびす湯もコロナ禍でどうなったのかとても気になるのですが、どうも頑張って営業されているようです。個人的に倉敷の美観地区周辺で最も訪れるべきはえびす湯だと思っています。えびす湯を知ってしまうと美観地区のレトロな街並みが観光客向けにアレンジされたレトロ風に思えてしまうかもしれませんがここは本当に必見です。

 

空いていると「ええよええよ」と写真も撮らせてくれます。

 

◆◆◆◆いにしえの物語にふれる吉備路で神社仏閣三昧

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少し足を延ばして岡山市の郊外、JR吉備線沿線は古代吉備王国時代の史跡が多く残るエリア。神社仏閣なども多く、いにしえロマンに浸りたい人にはお勧めです。

 

◆◆何かと独特な吉備津神社に行ってみた

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そんな中でも特に吉備津彦神社は必見です。

全てが独特な雰囲気で、城門のような独特な参道を通り境内に入ります。参道から本殿への導線なども他には見ない構造で興味深いです。

 

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本殿の造りは全国でここだけしか見られない様式の為「吉備津造り」とも言われていて国宝にも指定されているそうです。

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どちらが正面なのかよく分かりませんが、入母屋造りの2棟が1棟に合体したような造りでかっこいい。

 

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吉備津神社で有名なのは400mも続く回廊なのですが、当時は国内外から多くの観光客が訪れていて、観光客が映り込まないように写真を撮るのに辟易したのか、最もウリなスポットで殆ど写真を撮っていませんでした。

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でも今なら自撮り棒で武装したアジア系の人達もほとんどいないと思うので、コロナ禍の今こそ行きたいお勧めスポットの上位に吉備津神社をランクインさせたいです。

 因みに回廊の先にはお釜殿という御殿があり、お米を炊いた釜の音で願いが叶うかを占う鳴釜神事で有名です。写真は撮影禁止なのでありませんが、ぐつぐつと炊かれるお釜は見学する事が可能。

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ボーナスステージ的なエリアも豊富で何かと独特な吉備津神社、必見です。

 

◆◆吉備津神社の次は吉備津彦神社に行ってみた。

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一駅岡山寄りには吉備津彦神社があります。

てくてくと歩きましたが、それほどの距離ではありませんでした。

 

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吉備津神社と比較してしまうとオーソドックスですが、のんびりとした素敵な神社です。本殿も大きくて立派で風格がありました。

 

しかし吉備津神社吉備津彦神社という大きな神社が比較的近くで隣接しているのは少し不思議に思ったのですが、吉備津神社は備中の一之宮、吉備津彦神社は備前の一之宮という事らしいです。両神社との間に備中国備前国の国境があったという事ですが、そのような立地に社格の高い一之宮が鎮座しているのも珍しくて何やら古代のドラマがありそうな感じです。

 

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周辺には他にも備中国分寺最上稲荷豊臣秀吉の水攻めでてんてこまいの備中高松城跡などがあります。水攻めの最中に本能寺の変を知って、急遽引き返して明智光秀と対決した「中国の大返し」の出発点ですね。

 

サイクリングロードなども整備されていてコロナが来なければ自転車持参で行ってみたかったのですが、お楽しみは次に取っておこうと思います。

 

西日本豪雨のボランティア活動の合間に散策した程度なので浅くしか紹介は出来ませんが、魅力的なスポットが多く、再訪してじっくり見て回りたいところだらけです。

 

コロナの特性も次第に分かって来て、春ごろにマスコミが散々煽っていたような最悪なシナリオは素人目にもやって来そうにありません。

 

個人的に「陽性者増えてる!」→「怖い!」→「自粛!自粛!」ってのは違うと思うので、日ごろから正しく感染対策をして、感染リスクの低い状態で、感染リスクの低い手段で、感染リスクの低いエリアに観光に行くのは有りだと思っているので、ちょっと近場に出かけようかなって人で、倉敷・岡山あたりを考えている人にこの拙ブログが目に留まり、足を延ばすきっかけになればなと思いますが、情報が古い!ってこともあるかもしれませんが、行ってからのお楽しみという事でお許しを。

 

 まだ感染が怖い!感染させるのが怖い!って人はアフターコロナに是非訪れてあげてください。