石垣島のお喋りソバ野郎 〜トニーそば〜
以前、石垣島に行った際に見かけたソバ屋の看板がずっと気になっていました。
やる気のなさそうな看板のテイストに「どうせ潰れてるだろう」と思っていたら
昨年の石垣訪問時に絶賛盛業中である事を知り、今回せっかくなので足を運んでみる事にしました。
行ってみると、店の前に観光客らしき人達と酔っ払いみたいなオッサンがいて、そのオッサンがすごい勢いで話しかけて来るので「このソバ屋に来た」と言えば
てっきり看板のイラストが店主の自画像だと思っていたのだが違った。
ちなみにあのイラストは店主の憧れの映画俳優だそうで、トニーという愛称で一世を風靡した人らしい(オッチャン談)
とりあえずソバを注文したのだが、メニューに八重山そばとトニーそばがあるので「どう違うの?」と聞けば「どっちも違いやしないさ〜一緒一緒!」と飲食店店主としてあるまじき答えが。
結局、どっちを頼んだか覚えていないけど、オッチャンのキャラに反比例して味はかなりの薄味だった。
※汚い食いかけの写真で失礼
しかしこのオッチャンよく喋る!!ソバは一瞬で作るが話し出したら止まらない。
ソバを食べ終われば「一緒に外に出て語ろう!」と店の外の団欒スペースみたいな所に連れて行かれる。
熱く語りだすオッチャン!
雨が降って来たので店内に場所を移しても、オッチャンのトークは止む事がない。
これはよー×××に載った時ので、こっちは△△△に載った時の!
止まらない・・・・
獲物の捕食に失敗したので再び店内に戻って来て喋り出すオッチャン
お約束にして座右の銘である「出会いを大事にしたい」
紙面冒頭を抜粋すると
“「とにかく出会いを大事にしたいんだよ」ねじり鉢巻がトレードマークの・・・〜中略〜・・・自信が経営する栄福食堂に訪れた客とひたすらおしゃべりを楽しんでいる”
本当にひたすらおしゃべりしている・・・・ひたすら。
ただ懸念すべきは、記事は一切ソバの事に触れていない事。
オッチャンは自分が掲載された媒体について語りだすと恐らく永遠に喋り続けるのだが、今まで掲載されたメディア中で最も自慢なのが(テンションから察するに)、ロンリープラネットという世界的に有名なガイドブックに三回も載った事のようだ。
ロンリープラネットと聞いてもピンと来なかったが、よく外人観光客が持ってるガイドブックの事だった。
恐るべし自己顕示欲・・・・
そして勝手にトニーストリートと命名している。
ちなみにガラス扉のところにもメディアに掲載された記事が貼り出されていて、何度目かのドヤ顔で解説を始める。
三たび店内に戻ってもお喋りはまだまだ止まらない!
憧れのトニーの墓へ行った時のアルバムを取り出し、遠い目で語るオッチャン・・・
神様・・・・どうかこのお喋りソバ野郎を止めて下さい。
すると「船の時間が来たと言えば良いのじゃよ」と神様のお告げが聞こえたので
そう言ってみると、何とか喋りのペースを落とす事に成功。
そして次回の訪問を誓い、互いにガッチリ握手(オッチャンと名前も知らない観光客の人と)ようやくお喋り蟻地獄から解放されました。
ちなみにオッチャンの野望はトニーそばの存在を世界中に知らしめる事。
ツィッターやfacebook、あらゆる手段を使ってトニーそばをアピールして欲しいらしい
とりあえず“八重山そばランキング”に投票してねーとの事だったので
http://yaima.cool.ne.jp/ranking/votec/votec.cgi?no=2
行った事なくても投票してやって下さい。
手段は選ばない。有名になればいいらしい。
しかしランキングではかなり中団に埋もれているのでどげんかせんといかん。
何だかんだんでトニーそばに行くまでは天気も悪いし船も止まるしで相当モチベーションは低下していたのにオッチャンと話したら嘘のようにモヤモヤが吹き飛んで明るい気持ちなれました!
味は薄いけど、店主のキャラどこよりも濃いトニーそば
値段は安いけど、店主のテンションはどこよりも高いトニーそば
勝手に扇風機の電源を抜いて携帯の充電をしていたので店内がどんどん蒸し暑くなっていったトニーそば
しゃべりに夢中で蒸し暑くなった事に気づかないトニーそば
船の時間を聞けば適当な時間を言い、港で一時間以上待たせやがったトニーそば
吉永小百合が俺に会いたがっているとポジティブな妄想をのたまうトニーそば
小一時間の滞在だったけどそんなこんなでもうお腹いっぱい(そば以外で)